福祉タクシー・介護タクシーの車内清掃|スロープと車いす固定具の手入れ

福祉タクシー・介護タクシーの車内清掃|スロープと車いす固定具の手入れ

福祉タクシー・介護タクシーの車内清掃では、シートや床に加えて、スロープ・ベルト・車いす固定装置の手入れが必要になります。スロープのレールは異物を取り除いて布で拭き、車いす固定装置には水をかけず、ベルトは乾くまで使わない。トヨタの車いす仕様車の取扱説明書には、こう書かれています。

この記事では、トヨタの車いす仕様車の取扱説明書を手がかりに、スロープ・ベルト・車いす固定装置の手入れを部位別に整理します。あわせて、日常の手入れで届かない汚れをどこで線引きするかも、東京・江東区の車内清掃のサンリバ・クリーンが解説します。感染症が発生したときの消毒の方法は、この記事の範囲外です。事業所のマニュアルと所管の指示に従ってください。

福祉タクシーの車内清掃はどこが違う?

違いは、シートや床に加えて、車いすを乗せるための装備の手入れが要ることです。スロープ、ベルト、ワイヤーは車いすの安全な乗降と固定に関わります。見た目をきれいにするだけでなく、動きを妨げない手入れが目的になります。

福祉タクシーとは

福祉タクシーとは、一般のタクシー事業者が福祉自動車を使って行う運送や、障害のある方などの運送に業務の範囲を限定した許可を受けたタクシー事業者が行う運送のことです(出典:国土交通省ウェブサイト「福祉タクシー」/2026年11月時点)。この記事では、一般に介護タクシーと呼ばれる車も含めて、スロープや車いす固定装置を備えた車両を前提に書きます。

最初に確かめるのは自分の車の取扱説明書

手入れの方法は、車種・型式・架装によって変わります。この記事で紹介するのは、トヨタの「シエンタ」と「ノア/ヴォクシー」のウェルキャブ(車いす仕様車)の取扱書に書かれた内容です。同じトヨタの車いす仕様車でも、スロープの型によって手順の一部が違います。この2車種以外のトヨタ車、別のメーカーの車、後から架装した車は、同じ手順とは限りません。お使いの車の取扱説明書と、販売店や架装メーカーの案内を優先してください。

シエンタの取扱書は、車内の清掃について「車内を水洗いしないでください。」と警告しています。理由は、電気部品に水がかかると故障の原因になったり、車両火災につながるおそれがあるためです。床が汚れやすい車でも、ホースで流す掃除はしないでください。

スロープの掃除の手順は?

スロープは、水またはぬるま湯を含ませた布で軽く拭きます。引き出しレールに異物があれば、先にブラシなどで取り除きます。泥や小石、砂などがレールにつまると、スロープの引き出しや格納ができなくなることがあるためです(タイプによって構造が異なります)。

清掃の前に車を止める手順

取扱書が示す準備は次の順番です。

  1. 安全で平坦な場所に駐車する
  2. パーキングブレーキをかけ、シフトをPの位置にする
  3. エンジン(ハイブリッドシステム)を停止する
  4. バックドアを全開にする
  5. スロープを展開する

エンジンの停止は省かないでください。取扱書は、誤って車高調整スイッチが押されると不意に車高が変わり、手足を挟まれて重大な傷害を受けるおそれがあると警告しています。可動部や端部、突起部を拭くときも、手や指を挟まないように注意します。

スロープ全体とレールの拭き方

場所 手入れ
スロープ全体 水またはぬるま湯を含ませた布で軽く拭く
引き出しレール 異物をブラシなどで取り除いてから、水またはぬるま湯を含ませた布で軽く拭く
スロープの裏面など 片方の手でスロープ先端の取っ手を持って持ち上げ、もう片方の手で拭く

シエンタのタイプⅢは、取扱説明書の清掃手順にレールと裏面の項目がなく、スロープ全体の拭き取りのみです。

裏面を拭くときは、先端の取っ手以外を持たないでください。取っ手以外の部分を持つと手を挟まれ、けがをするおそれがあると取扱書に書かれています。シエンタの取扱書はレールをときどき点検するよう案内しており、引き出しや格納がしづらくなったときも清掃の合図になります。ただし、清掃しても動きが戻らないときは、無理に動かさず販売店に相談してください。

拭いたあとは水分を残さない

シエンタの取扱書は、スロープ表面がぬれているとすべりやすくなるとして、水分をふき取ってから使うよう案内しています。掃除の直後に使うときは、水分を拭き取ってから乗り入れます。雨天時など完全に拭き取れないときは、足元に十分注意するよう取扱説明書は案内しています。

車いすの固定ベルトとワイヤーの手入れは?

ベルトは「布で拭いて乾かす」、ワイヤーは「水をかけずに布で拭く」が基本です。どちらも汚れるともどりが悪くなることがあるため、動きが重いと感じたら手入れの合図です。どの装置がベルト式かワイヤー式かは車によって違います。

ベルトは中性洗剤かぬるま湯で拭いて乾かす

取扱書の方法は、中性洗剤かぬるま湯を含ませた布で軽く拭き、乾くまで使わないというものです。対象はセーフティベルトや電動ウインチのベルト、車いす用シートベルトなどで、装備は車によって異なります。拭くときはフックやプレートをしっかり持ちます。不意に巻き取られてけがをするおそれがあるためです。

使ってはいけないものも明記されています。取扱書は「ベンジン・ガソリンなどの有機溶剤や酸またはアルカリ性の溶剤・染色剤・漂白剤を使用しないでください。」と警告しています。ベルトの性能が下がり、十分な効果を発揮せず、生命にかかわる重大な傷害を受けるおそれがあるためです。

車内の消毒で手すりなどを拭く運用をしている事業所では、ベルト本体まで同じ薬剤で拭いていないか確かめてください。消毒の運用と取扱書の手入れ方法が合うかどうかは、事業所のマニュアルとあわせて販売店に確認するのが確実です。消毒の考え方はデイサービス送迎車・介護車両の消毒と清掃で扱っています。同記事の拭く場所の一覧にはベルトの持ち手部分も挙げていますが、車いす仕様車のベルトは上の取扱説明書の警告を優先し、使う薬剤は販売店に確認してください。

車いす固定装置には水をかけない

取扱書は「車いす固定装置に水をかけないでください。」と警告しています。電気部品に水がかかると故障の原因になったり、車両火災につながるおそれがあるためです。万一かかってしまったら、自分で乾かして済ませず販売店に相談します。

ワイヤーの清掃は次の流れです。

  1. フックをしっかり持って、ワイヤーを引き出す
  2. ワイヤーの状態を確認しながら、やわらかい布などで砂やほこりをゆっくり拭き取る
  3. 潤滑剤を含ませた布で、もう一度ワイヤーを拭く

作業のあいだはフックを持ったままにします。急に手を離すとワイヤーが不意に巻き取られ、けがをするおそれがあると取扱説明書は警告しています。

取扱書には「ワイヤーに直接ふれないでください。」ともあります。傷やほつれがあると、けがをするおそれがあるためです。取扱説明書の手順は、やわらかい布などでゆっくり拭く形です。手で直接触らず、先に傷やほつれがないかを目で確かめます。潤滑剤の種類は今回確認した取扱書に書かれていないので、使うものは販売店に確認してください。

ほつれを見つけたら清掃ではなく販売店へ

ベルトやワイヤーの点検は、清掃のついでではなく使う前の確認として取扱書に書かれています。ほつれ、すり切れ、ベルトの折れる癖があるとき、正常に作動しなくなったときは、トヨタの場合は販売店で交換と案内されています。清掃で解決する問題ではありません。掃除のときに見つけたら、その車いす固定装置をそのまま使わず、販売店(後から架装した車は架装メーカーや架装を頼んだ店)に相談してください。

リフト付きの車はどう手入れする?

リフト付きの車は、その車の取扱説明書に書かれた方法で手入れしてください。今回、リフト本体の清掃手順を確認できる一次資料は見つかりませんでした。そのため、スロープの手順をリフトにそのまま当てはめないでください。特に、水をかけてよいか、薬剤や潤滑剤を使ってよいかは推測で決めず、取扱説明書か販売店、架装メーカーで確認します。

リフトを動かしながら拭く作業も、挟まれるおそれがあります。手順が分からない部分は触らず、周囲の床の砂を掃除機で取るところまでにとどめるのが無難です。

自分たちの手入れとプロに相談する範囲の分け方は?

分け方の目安は「取扱説明書に手順がある装備は自分たちで」「シートの奥に入った汚れやニオイは相談」です。車いす固定装置などの点検や修理は清掃業者ではなく、販売店や架装メーカーの領域になります。これは当コラムの整理であり、事業所の運用に合わせて調整してください。

日常の拭き取りで続ける部分

  • スロープの拭き取りとレールの異物の除去
  • ベルト・ワイヤーの汚れの拭き取りと、使用前の点検
  • 床の砂やほこりの掃除機がけ

車いすのタイヤは屋外の砂や泥を車内に運びやすいので、掃除機をかける順番は車内のホコリと砂の取り方が参考になります。座席数の多い車を複数の担当者で掃除するときの決め方は、送迎バス・マイクロバスの車内清掃にまとめています。

シートの奥やニオイが残るとき

シートは表面を拭くだけでは、奥に入った汚れまで届きにくいことがあります。当社のシート洗浄は、適切な水分量と薬剤・抽出機を使い分け、内部の発泡材まで洗浄液を届けて回収するプロの分解洗浄です。車内のニオイは除菌・消臭プランでご相談いただけます。ただし、汚れやニオイの状態によって結果は変わるため、作業前にお見積りでご説明します。

血液の汚れがシートについた場合の応急処置は、車のシートの血液汚れの落とし方をご覧ください。ほかの方の血液や嘔吐物に触れるおそれがあるときは使い捨ての手袋を使い、事業所ではマニュアルの処理手順に従ってください。ベルトの黒ずみが気になる場合の考え方はシートベルトの黒ずみの落とし方にありますが、車いす用のベルトは車の取扱書の手順を優先してください。

江東区周辺の福祉車両の車内清掃のご相談

当社の法人向け車内クリーニングには、送迎業者・福祉送迎向けのご案内があります。除菌・消臭プラン+シート洗浄+車内抗菌コートの組み合わせで、夜間・早朝・休日の対応や、3台以上の一括依頼の台数割引もご相談いただけます。福祉タクシー・介護タクシーの車両や自家用の福祉車両については、法人・個人や台数を問わず、対応できるかどうかも含めてお見積りでご説明します。スロープ・リフト・車いす用のベルト・車いす固定装置の清掃や、これらの装備への薬剤の扱いも同じです。点検や修理は当社の作業ではありません。

当社の作業は、作業の流れのとおりご注文メニューに合わせて進め、途中で追加対応が必要になった場合は事前にご相談のうえで進めます。法人のお客様には作業報告書も発行できます。報告書は作業の内容をお伝えする書類で、車両の安全や衛生基準を証明するものではありません。

料金は料金表のとおりで、法人プランは台数や工程によりお見積りとなります。出張費は対応エリア内一律2,200円(税込)です。オプション/個別メニューのみのご利用は1訪問あたり出張費含め11,000円(税込)以上から承ります。作業には、車のドアが全開にできる敷地内のスペースと、電源・水のご提供が必要です。作業車を停める場所がない場合のコインパーキング代はお客様のご負担です。電源の確保が難しい場合は電源持ち込み3,850円(税込)で対応できます。スペース不足や公道でしか作業できない場合など、当日お客様のご都合で作業ができないときはキャンセル料11,000円(税込)を申し受けます。詳しくはご利用ガイドをご確認ください。

江東区亀戸を拠点に、東京9区(江東区・墨田区・江戸川区・葛飾区・足立区・荒川区・台東区・中央区・千代田区)と千葉県の市川市・浦安市に出張対応しています。エリア外のお客様は拠点へのお持ち込みで承ります。出張作業等で担当者不在の場合があるので、まずは電話・メールでご相談ください。車種と、スロープ・リフトなどの装備、気になる汚れの場所をお伝えいただくとスムーズです。お見積りは無料です。

出典:国土交通省ウェブサイト「福祉タクシー」。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。

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